風のおとしもの。






午後の授業が終わり、佳代さんがそわそわしだした。


「……佳代さん。あの、今日は一緒に帰りませんか?」

「ぁ……うん!」


恐る恐る誘ってみると、佳代さんの表情がぱぁっと明るくなった。


「良かった。一緒に帰るのは久しぶりですね」

「ぅ……そうだね。なんかごめん」

「なんで謝るんですか?私は嬉しいですよ」

「雛………」


精一杯の笑顔で言えば、切なげな視線を向けられる。
……やっぱり私と一緒じゃ嫌なのかな。
うぅ……でもつんつんしてた雰囲気はなくなったし、大丈夫だよ。


「佳代~、かぁえろっ☆」


鞄をつめている間に、美紀さんがやってきた。
今日は数学の補習がないみたいで、ご機嫌です。
そして相変わらずちらっと睨んでくる。
思わず目を背けるが、気にしていないように話続ける。






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