地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
そう言って、ババアが咲姉と腕を組む。
「杏ちゃんに似合う最高のものを準備しておくわね」
「あぁ…頼む」
咲姉に軽く頭を下げた。
すると…。
「“アレ”は市内からちょっと離れたところにあるよな?」
親父が聞いて来た。
頷くと……。
「ならば“アレ”の前に、温泉旅行でもしてくれば良いじゃないか」
「は!?」
「彼女とゆっくりしてくれば良い」
マジですか……!?
「手配は任せなさい。“アレ”を含めて2〜3日程遊んできなさい。お前も、毎日仕事で大変だろう?
彼女と出かけたことはあるのか?」
「…………ない」
ぽつりと返すと………。
「「デートしたことないの!?」」
ババアと咲姉が病室中に響くほど叫んだ。