地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
怯むかと思ったが、全くそんな反応はしない。

それどころか、俺に今日1番キレることを言った。




「そうですか。では、あの方とは別れて、わたくしとお付き合いをして下さい」


「「「「「はっ…!?」」」」」


周りにいる奴らが、素っ頓狂な声を上げる。



「楠さん?今なんと?」

「ですから、あの女とは別れて下さい。わたくし達の婚約に邪魔物でしょう?」

「……………婚約?」

「えぇ…今年のクリスマスに、マスコミへ公表しますわ」



あまりの内容に、周りも俺も言葉が出ない。



「…何かの間違いでは?僕なんかが、楠財閥の令嬢と婚約するはずがありません」

「何をおっしゃっているんですの?貴方は、滝本財閥全グループの次期総帥です。わたくしに相応しい旦那様ですわ」


不敵な笑みを浮かべて……爆弾を落とした。
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