HEMLOCK‐ヘムロック‐
 透と詠乃も何かに気付いたらしく、イオを、そして界と盟を見た。
しかし泉だけは意味が解らず、全員の反応を見比べて頭からクエスチョンマークを飛ばす表情でいる。

 自分の拳を握る礼二の指先は、真っ白になる程の圧力が掛かっていた。そして確かに小さく震えて見えた。


「その事柄が意味している物、俺は一つしか見当がつかない」


 礼二は度重なる動揺に、冷静を装うのも限界の様だった。泉の目にもそれは伝わってきた。






「界、お前も紅龍會の人間なのか?」





 界は首を横には振らなかった。







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