ミモザの朽ち木
家には帰りたくない。

だけど、時間をつぶすために駅前をぶらつこうにも体がひどく疲れている。

パパが生き返ってからこの二日間、あたしは水しか口にしていなかった。

にもかかわらず、食欲はまったくわいてこない。

このまま衰弱して死んでしまうんじゃないかと本気で心配になった。

泊めてくれる友達はいないだろうかと何人かに電話をかけてみたが、どういうわけかひとりも連絡がつかなかった。

もう、なにがなんだかわからない。


あたしは昨日の公園に行って、昨日と同じベンチに座った。

公園に人影はなかった。

噴水のしぶきが淡い虹をつくり、おだやかな春の風が木の葉をそよがせている。

いつもは噴水の周りにハトが群れているのに、今日は一羽も見当たらなかった。

きっとみんな、あたしと関わりたくないのだろう。
< 42 / 66 >

この作品をシェア

pagetop