小野先生とアタシ
そして
先生の表情ははっきりわからなくてもなんとなく…
それから
少なくとも…
学校で見せるような冷たくて非情なそんな感じじゃないことは確かだった。
シャツの腕をまくりネクタイも締めてなくて。
いつもよりもラフな格好の先生。
表情もこころなしか柔らかい。
しなやかな指で鍵盤を叩く。
そんな先生の姿にドキドキする。
先生の指から生まれ聴こえてくる切ない旋律がアタシの胸を締め付ける。