小野先生とアタシ

何回も何回もアタシの頭の中で繰り返すピアノ。


ふと気づくと
先生があの部屋から出てリビングの方へ行く気配がした。



その気配に合わせるようにアタシは何も知らなかったフリをして
自分の部屋から出て先生と同じようにリビングへ向かう。




そしてソファに腰掛けて
ネクタイを締める先生に向かってリビングのドアのところから声をかける。


「あの、先生…。
おはようございます。
今日はゆっくりなんですね…」




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