小野先生とアタシ
「…アタシ、この曲好きです」
アタシはピアノにもたれて先生のノクターンを弾く手を見つめながら言った。
先生は何も答えない。
曲が流れる中。
まるでふたりぼっちみたい。
この世に2人だけみたい。
先生も…そう思ってくれてたら…嬉しいな。
なんてね。
「まるでこの世に2人だけみたいだな。
窓から差し込む夕陽に包まれたような不思議な感覚…」
そうぽつりと言った先生はハッとしたようにして鍵盤を叩く指を止めた。