小野先生とアタシ

月曜になればまた先生の講義が受けられるから。

そう、
だから日曜の今日に出て行くって決めたんだから。



低く通る声。

テキストを丸めるクセ。

うつむいたときに額にかかる髪。

先生の講義を思い出す。




それから。

聴かせてくれたピアノ。

絆創膏を巻いてくれた指。

アタシに見せてくれた笑顔。





あ。
ダメだ。

泣きそう。




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