恋に恋しました。

暇な私はちらりと目の前の人を見る。
―背の高い茶髪の男性。
後姿だけど、すらりとした肉付きで多分コレはイケメンとかいうやつだ。
あ、短い髪から見える耳んとこに、黒縁眼鏡のやつが見えた。

眼鏡かけてるんだ。しかもブラック。

ジャケットはダークブラウンで…シャツは白。
ジーンズは…うわ、足長いな…。モデルみたい。

なんか顔が気になってきた。

私はそろっと、気付かれないよう体をずらし―別のコーナーを見るようにしながらちらりと男性を見てみた。

………。

……………。

特別、ってほどじゃないけど、…結構私としては、好み。
なんていうかパーツがそれぞれ私の好みのラインしてたりなんやりしてるんだけど。

あー、いいものみたな。

気付かれぬよう密かにくくくと笑えば、いつのまにか彼がレジを使っていて私は大分間を空けていた。

後ろに並んだきつめの女子高生がぼそりと文句を言う。

「…ッチ…早く行けよ中坊」

今時まだそうやって文句言うのかよ。
私は軽く押されて前のめりになる。待って何これなんの漫画―?
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