氷の上のプリンセス
「なにしてんの?」
後ろから、私の知ってる低い声が聞こえた。
「あっ、結城…。
お前こそ、何か用かよ?」
「…別に。
実莉、こっちこい。」
先輩が、無表情のまま男の子たちを見ながら言った。
『はっ、はいっ!!』
私は、結城先輩の後ろに素早く逃げた。
「ちっ、結城の女かよ。」
3人の男の子たちは、
案外あっさりと去って行ってくれた。
良かったぁ、助かった…。
結城先輩の肩越しに、彼らを見送り、ほっと胸をなで下ろしていたとき、
「お前さぁ………。」
先輩の声が、少し怒ってるように聞こえ、びくりとする。
おそるおそる、
私は先輩の方を上目づかいで徐々に顔をあげた。
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