私に恋を教えてくれてありがとう【下】
華子は缶をテーブルに置き、両手をきちりと合わせ
深く重い瞬きを一度して、夫人に言った。
「……あなたの行動が……私を救ってくれた……。
そう思っているんです。
――――――あのまま、突き進んでいたら私は……」
―――……どんな人間になっていたか……―――
―――今頃どんな生活を送っていたことか……―――
夫人の視線を捕えた華子の瞳には、伝えたいことがあまりにも沢山浮かび過ぎていて……
でも、必死にこらえた。