私に恋を教えてくれてありがとう【下】
百合には想いを寄せている人がいる。

その話をいつもどおりの相槌と

たまに割り込ませる

その人への見解をもって

きいていたが

たまにチクリと胸に突き刺さる

何かがあるのに気がついた。



そんな病状が発症したのとは裏腹に

今風に乱したおだんご頭のウエイトレスが

腰から長く黒いエプロンを蹴り飛ばしながら

ランチを運んできた。




二人は途端にお行儀を良くし

今まで舞っていた両手を

膝の上で合わせ落ち着かせ

まん丸い目で何とも愛らしい

白いプレートにのっている

胃袋に入る予定のものをキョロっと見た。


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