私に恋を教えてくれてありがとう【下】
店内のやや汚れ気味のザラザラした壁は

わざと手抜きして作った様に見える設計。



狭い店内の小窓には

小さな丸い鉢に植えられた


見たことのない群青色の花が


くねって垂れ下がった

針金みたいな細長い茎の先端に

おまけで付いている。




当たり障りのないお互いの報告中

しばしば二人は足をばたつかせ

きしむ床をなんなりときしませた。



どうやら百合の仕事っぷりは

華子の予想以上の様だ。



拘束時間は長いものの

彼女の語る業務内容に

艶めくものを感じた……。

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