蒼い月の雫
《危険ですのでシートベルトをお締め下さい》

アナウンスが流れる.

ガクンッ・・・

もう一度揺れた.だんだん悲鳴は大きくなり,女性の泣き声まで聞こえてきた.


さっきの奴等が機体に取り憑いて墜落させようとしている.


「何で・・・あいつらに知能は・・・まさかっ・・・」


頭の中にある顔が浮かんだ.
と,同時に声が響いた.テレパシーのようなものだった.



『ざまぁ無いな.狗音』


「轟っっ(とどろき)・・・」


『さて・・・そろそろ機体が落ち始める頃・・・400人の乗客とともに海の藻屑になるといい・・・』


「待てっっ!乗客は関係ないだろう!?」


狗音は叫んだが,もう轟の声は聞こえなかった.




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