蒼い月の雫
第二章  見つけた
狼の住むマンションに着いた.
暗証番号を入力し,中に入る.
このマンションはここら一帯では一番よい場所かもしれない.
両親が狼のために残してくれたものの一つでもある.


2人はEVで5階まで行き,ドアの横に「里田」と書かれたプレートのかかっている部屋の前で止まった.


「入って」

玄関に入り壁際のスイッチを押して明りを付ける.


「さっきはよく分からなかったけど・・・今見たら綺麗な顔してるのね・・・」


狼は狗音の綺麗な顔を見つめた.
美しい淡い蒼色の髪,色白の肌,赤い瞳・・・
同じ人なのかと疑ってしまうくらい狼は綺麗だった.


狗音も狼を見た.
が,その口から漏れたのは意外な言葉であった.

「お前か・・・」




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