優しい雨
私達は温泉から上がってバスローブを羽織り、上階にあるイタリアンレストランで昼食を取ることにした。

ランチについているサラダバーのサラダは、彼が綺麗に盛り付けてくれた。

ソテーされた鱸もパスタも美味しくて、ふっと修一を差し置いて自分だけがという気持ちになった。


そういえば修一は食べ物が美味しいと感じる味覚が戻ったのだろうか?

病気は修一の味覚まで奪ったので、以前夫は何を食べても味が良く分からないと訴えていた。

ここのところの好調で修一の味覚が戻ったら、何か美味しいものを食べさせてあげたい…


食後にジェラードとエクスプレッソが運ばれ、私は口の中で甘みと苦味の融合を楽しんでいた。


その時、私の携帯が鳴った。

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