ほっとちょこれーと *【完】
「変?」
「当たり前だと思ってた。颯斗の隣にあたしがいることが…付き合ってたわけでもないのに」
「うん」
「特別な人ができるなんて思ってなくて…だからなんて言うか 物足りない」
「あたしはね、心結と颯斗君が付き合うのは時間の問題だと思ってた」
「………。」
「結城君が来るまではね」
翼があたしに告白してなかったら
あたしが翼にキスしてなかったら
翼があたしを追いかけてこなかったら
あたしは颯斗と付き合ってたのかな?
颯斗の隣にはあたしがいたのかな?
あたしがこんなにモヤモヤしてるのは………
颯斗が好きだったから?
「誰だって人に好かれてたいって思うし、例え自分が嫌いな人でも離れていっちゃうって思うと引き止めたくなるもん」
「………。」
「八嶋的には陰謀が見え隠れしてるけど……颯斗君が決めたことなんだから祝福しないとね」
颯斗があたしを好きだったから
無意識にあたしは颯斗が好きだった。
ただそれだけ
「てかさ…陰謀ってなんだよ!!」
ずっと突っ込みたかったんですけど。
「てへ♪灯璃んは嬉しいよ。みーたんの本音が聞・け・て」