年上女ですが…それが何か???





売店のおばちゃんに渋い顔をされながらもなんとか納品を終え、再び今来た道を戻ろうとした時、終業を告げるチャイムが鳴った。





その音にビクビクしながら、私は必死で心の中で祈りながら足を速める。






どうか今日もアイツに見つかりませんように……!






なのになんでかな………






「あっ!!やっと見つけたーーー!!!」





こういう祈りは未だかつて聞き入れられたことがない。






後ろからパタパタと小走りで近づいてくる音に、私はガックリ肩を落としてうなだれた。






「やっほ!明おばちゃんっ」



「“おばちゃん”言うな、沙穂」



「なんでよう。ママのイトコなんだから、私にとってアキ姉は“おばちゃん”でしょ?」





そう言って、やたらデカイ目をぱちくりさせて無邪気に笑うこの小娘こそ、たった今私が会いたくないと願っていた人物で。





山吹 沙穂。ちなみにここの2年生。




「ってことで、予備のパンが余ってるんでしょ? それチョーダイ♪」




くっそ…… 
だから会いたくなかったっつうのに……





めちゃくちゃ図々しい小娘だったりする。









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