年上女ですが…それが何か???





「予備とか全部車にあるから……」



「んじゃ、ここで待ってる。早く持ってきて」



「はっ!? なんで私が……」



「知ってるよ?午前の配達はここで終わりなんでしょ?」



「……うぐ…」






この小娘だけは………






沙穂の無邪気さに内心ピキピキきながらも、周りからの興味深げな視線に、私は頷かざるを得なかった。






「はいはい…… わかったから、アンタも一緒に来なさいよ」






私が手を引くと、沙穂は意外にすんなり付いてくる。





「しょうがないなぁ。そのかわり、彼氏の分も貰うからね」





隣で得意げにふふっと笑う沙穂。





最初っからそれが目当てだったと思えるほどのずる賢さに脱帽する。






ちなみに沙穂の家はごく一般階級。





ここの生徒だからって、皆が皆お金持ちなわけでもなく、売店のパンをお昼にする子も普通に居るってわけ。






「アキ姉さぁ、パンの配達始めて2週間は経つんだよね?
その間、私のこと避けてたでしょ!! 売店の近くで待っててって、伝言しておいたのにぃ」






それはアンタの魂胆がバレてるからだよ……





そう言い返そうと思ったけど、止めておいた。





多分、10倍返しで何か言われるから。





代わりに、「これでも色々忙しいの」と答えた私の返事は、






「あーーー!! スバル先輩こっちだよ〜!」





沙穂のキャピ声にかき消された。







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