年上女ですが…それが何か???





どっと疲れが押し寄せてくるほどハイテンションな沙穂との会話を終わらせて、やっと一息入れたんだけど……






なんだろな、このモヤモヤした気持ちは。






電話をする前より、明らかにへこんでる自分に無性に腹が立つ。






なによ、モデルみたいな女との噂って……






学校まで迎えに来るとか、どういう関係なわけ?






…………っていうか、







「なんで私がクソガキ相手にヤキモチなんて妬かなきゃなんないのよーー!!!」





ボスッ−−






力任せに殴った枕が、自分の拳の大きさでへこむ。
だけど低反発素材だから、それはすぐに元へと戻った。








………そう、モヤモヤの正体なんて、とっくに気づいていた。






そしてその先にあるであろう自分の気持ちも。







自分に腹が立つ理由もそれ。






やたらへこむ理由もそれ。






わかってる、わかってるんだけど−−−






…………認めたくない。






「ああもうっ!」



ボスッ−−






へこんだと思ったら、またすぐに元に戻る枕。







この気持ちも枕みたいに綺麗さっぱり戻ればいいのに……







そんなことを考えてしまうのは、私の中でやっぱり年下には相当な抵抗があるからで。






その当人には、特定の相手らしき女の陰がチラついているからで。






「はぁぁぁ…」







枕に突っ伏した私の口から、色んな気持ちが入り混じったため息がこぼれ落ちた。








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