異世界の花嫁
国王のいた執務室とはまた別にティアスの仕事をする執務室がまたある。
ヒューズがその執務室からでようとし丁度扉に手を伸ばそうとした時、ドンと大きな爆発音のようなものが聞こえてきた。
「なんの音だ!?」
「中庭の方からだったぞ!!」
「いくぞ!ヒューズ」
「ああ」
2人は急いで中庭へと向かった。
バタバタバタ
「なんだ?」
とても大きな音がしたわりには庭はなんともなく静寂にみちていた。
しかし1つだけいつもの中庭と様子が違っていた。
噴水近くの草の上に金色の長い髪の娘が仰向けに横たわっていたのだ。
「なんだあの女は?って、おいティアスそんな近づくなって!」
ゆっくりとした足どりで娘の方へ近づいて行く。
娘のそばまで行くとしゃがみこみ口のそばにそっと手をそえた。
「おい。ヒューズ!この女生きてる。部屋に運ぶぞ!」
そういうと娘の肩と膝の裏に手をそえ、いわゆるお姫様だっこの形で持ち上げた。
(なんだこの女の軽さは。人間か?)
ティアスは心の中でそんなことを考えていた。
そしてヒューズと共に中庭をあとにした。