ピリオド [短編小説]
3.「明かされた真実」
いつもどおり幼稚園に行って、いつもどおり家に帰る筈だった。
でも、幼稚園で友達と遊んでいる途中に、急に力が抜けて、僕は倒れた。って後から幼稚園の先生に教えてもらった。
まだ幼かったから、何故かは知らないけど、僕は入院する事になった。
「まだ幼いのに…可愛そうに…」
そう聞こえたけど、やはり、まだ幼児だったのもあり、風邪か何かなのかな?くらいにしか思っていなかった。
勿論。今ならあり得ない事だよ。風邪で入院なんかするわけない。
「ーー。ごめんね…。私にはどうする事も出来ないの…」
もう忘れてしまった、昔の僕の名前を呼び、ごめんなさい…。
と何回も謝りながら泣くお母さん。
「どうして?僕はここにいるよ?これからもずっといるよ?」
「…ーー。そうなったらどれだけ幸せか…」
泣き続けるお母さんを、僕はただ見つめる事しか出来なかった。

事実を知らされないまま2年が経ち、僕は小学生になった。
しかし、相変わらず理由を知らない入退院を繰り返している僕は、
なかなかクラスに溶け込む事が出来なかった。
「ーー君!外で遊ぼうよ」
女の子がよく誘ってくれたりするが、僕はお母さんに「外に出たり、走りまわったりしちゃ駄目よ?」と言われてたので、断るしかなかった。
「変な子」「おかしい」「何あいつ」と言われるが、僕は気にせず、ただ暇つぶしに勉強をしていた。

小学校5、6年くらい、「ーーは好きな人いないのか?」とよく聞かれたが、「いないよ」毎回そう答える。そして返ってくる答えもお約束。
「お前、モテるんだからちょっとは気にしてみたら?」
毎回毎回そうだった。
そして、いつも思う事は、「人間は悲しい生き物だな…。僕が神様だったら、こんな世界を変えるのに」
この頃から人間が嫌いだった。神様になりたかった。
僕は、自分が病気にかかっている事ぐらい既に気付いていたから、余計に神様になりたいと思ったのかもしれない。

それから2年が経ち、僕は中学2年生になった。
せっかく受験して入った私立の中学校も、1年の頃は入院していてあまり通えなかった。
何の病気なのかお母さんに聞いても、返って来るのはいつも一緒。「いつか治るから、気にしなくていいのよ」と。
やはりお母さんも人間。都合が悪いとそうやって隠す。
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