リトルシークレット


(ぬ…!岡崎くん…!)
突然の岡崎の突然に、びっくりしている縁
視線を岡崎から離せずにいた中、岡崎も一人教室に残っている縁に気付いた


「あっれ?古木さんじゃん、やっほー」
ニコッと笑い手をひらひらしながら教室に入ってきた。

「やっ、やっほー…?」
ぎこちない笑顔で岡崎に返す。


岡崎葵。
縁と同じクラスの男子生徒。話した経験は皆無に近い。それ依然に縁は親しい友人以外には生真面目な態度を取り、おとなしい生徒と評価されている。そして縁は人と話すという行為自体が苦手であり、更に男子が苦手だという内気少女であった。


岡崎に手を振り返したと同時に縁は、話すつもりはないという雰囲気を醸し出すために、プリントにせっせと取り組んでいる風を装った。
私は今、忙しいのだ!話し掛けるべからず、と態度でしめしたのだが、



ガタッ


「何しているの?」

プリントから顔を上げ、前を見ると、そこにはにっこりとした岡崎葵が座っていた。




(ひ、ひぇええぇええーーー!)
思わず縁は心のなかで悲鳴を叫ぶ。
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