バツ1子持ち、それでも大好きだよ先生《夕顔の恋の行方》
葛藤

将一目線

夕顔との楽しい時間が音をたてて崩れて行く。




目の前に親父がいる。




俺の知らないもう一つの家族と楽しそうに笑っていた。




俺は親父と一度も一緒に出掛けた事などなかった。




夕顔がいなかったら、多分親父に殴りかかっていたと思う。




「将一には私がいるよ、私の家族もいるから大丈夫。」




夕顔が力強く抱き締めてくれた。




たけど夕顔、ここは男性トイレなんですけど。




夕顔の必死さが嬉しかった。




そう、俺には夕顔がいるし夕顔の家族もいるんだ。




だからもう俺の家族は必要ない。




そう思うと心が軽くなる。



『夕顔大丈夫だから、ありがとう。』




俺は夕顔から離れ、夕顔の手を握ってトイレから出た。




もう、親父たちはそこにはいなかった。








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