Anniversary.

相変わらず……。

――― Yuu.


ダンッ ダンッ!


相変わらず。 体育館には、バスケットボールが叩きつけられる音がする。


夏休みから…… なんとなく継続している“マネージャー”

まあ、桐谷もいるし…… おもしろくないわけじゃないからいいけど。



「愛川ちゃん、お茶ちょーだい」


「こっちは、タオルッッ」


一人で全員の面倒を見るのは本当に大変。

練習して疲れているんだろうけど……。


「愛川ちゃーん」


こっちも疲れているのっっ!

あたしは一人なんだから、少しは手伝って欲しいよ。


でも、これがあたしの仕事なんだ。


「頑張ろう!」


「…… 何を“頑張る”んだ?」


「うわっ、桐谷!」



びっくりした。 …… 急に後ろに現れるんだもん。


「愛川?」


首を傾げてあたしを見下ろす。


はぁー。 昔はただの友達だったのに……。





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