ティアラ2
「み、認めてないわよ!! 認めてないけど、かいてたことにしなきゃしつこいし!! もしもの話よ、もしもの!!」
むっかつく、この野郎っ!
声を荒らげるあたしの横で、篤紀は耳を手で塞ぎながら「うるせえ」と言って、また笑う。
「かいてない、かいてない、かいてない!」
「わかった、わかった、わかった!」
いつも余裕ぶってて、いつもあたしばかりが恥ずかしい思いをしていて……。
「もういいっ」
つまらない、と思った。
否定するのをやめて口を尖らせる。すると突然、髪の毛を撫でられた。
「お前らしいなって思ったよ」
あ……この顔。
「見た目は大人っぽくて綺麗なのに、中身はすっげえ子供で……すっげえ腹黒い」
ひとを見下すような憎たらしい表情が、絵本の王子様みたいに優しくなる。
普段は小馬鹿にしてるくせに、たまにこうやって誉めてくるの。
篤紀がこんな態度をとるときは、あたしたちがラブラブになれるサイン。
むっかつく、この野郎っ!
声を荒らげるあたしの横で、篤紀は耳を手で塞ぎながら「うるせえ」と言って、また笑う。
「かいてない、かいてない、かいてない!」
「わかった、わかった、わかった!」
いつも余裕ぶってて、いつもあたしばかりが恥ずかしい思いをしていて……。
「もういいっ」
つまらない、と思った。
否定するのをやめて口を尖らせる。すると突然、髪の毛を撫でられた。
「お前らしいなって思ったよ」
あ……この顔。
「見た目は大人っぽくて綺麗なのに、中身はすっげえ子供で……すっげえ腹黒い」
ひとを見下すような憎たらしい表情が、絵本の王子様みたいに優しくなる。
普段は小馬鹿にしてるくせに、たまにこうやって誉めてくるの。
篤紀がこんな態度をとるときは、あたしたちがラブラブになれるサイン。