ティアラ2
「その中に入ってるピンクと赤、いい色だと思わない?」
目だけ向けているから、透吾は自分が見られていることに気づいていないのだろう。
外をぼんやり見つめる彼は突然、アイシャドウの色について話し出した。
「……ああ、少し落ち着いた色ですね。和服に合いそう」
慌ててコンパクトを見下ろす。そこには、10代や20代だけではなく、30代40代と幅広く好まれるような色が並んでいた。
「グラデーションで使っても綺麗だと思うけど……」
「あっ」
まだ透吾が話しているんだけれど、ふとあることを思い付いたあたしは、思うがまま鞄から化粧ポーチを取り出した。
そして、ガチャガチャ音を鳴らしながら、中から銀色のヘラとシャドウブラシを出す。
「このピンクと赤、混ぜると絶対キレイ」
ヘラでパウダーを削り取り、手の甲に乗せる。そして、慎重にその2色をブラシでかき混ぜた。
目だけ向けているから、透吾は自分が見られていることに気づいていないのだろう。
外をぼんやり見つめる彼は突然、アイシャドウの色について話し出した。
「……ああ、少し落ち着いた色ですね。和服に合いそう」
慌ててコンパクトを見下ろす。そこには、10代や20代だけではなく、30代40代と幅広く好まれるような色が並んでいた。
「グラデーションで使っても綺麗だと思うけど……」
「あっ」
まだ透吾が話しているんだけれど、ふとあることを思い付いたあたしは、思うがまま鞄から化粧ポーチを取り出した。
そして、ガチャガチャ音を鳴らしながら、中から銀色のヘラとシャドウブラシを出す。
「このピンクと赤、混ぜると絶対キレイ」
ヘラでパウダーを削り取り、手の甲に乗せる。そして、慎重にその2色をブラシでかき混ぜた。