ティアラ2
背後からの声。振り向くと、ドアを開けたばかりの彼がいた。

「ちょうどよかった。篤紀、聞い……」

「大丈夫か? 笹野」

この女がしていたことを話して、誤解をとこうと思った。

けれど、彼は話なんて聞きもせず、スタスタ近づき、この女をあたしから離していく。

掴まれていた二の腕をさすりながら、弱々しく頷く彼女。

「篤紀、この人……」

なんで、その子の心配するの?

……言ってやる、その女がなにをしてたのかを。

彼女の顔をのぞきこむ篤紀に、手を伸ばす。だけど、彼は……。


「いい加減にしろよ!」


あたしにきつい目を向けて、うんざりした口調でそう叫んだ。

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