ティアラ2
あ然とするあたし。

シーンと静まり返る部屋。彼は彼女に小声で囁く。先に行ってて、と。


彼女が閉めたドアの音。

その後、耳には室内に置いてある冷蔵庫からの雑音しか入ってこない。

「……お前、なにやってんだよ」

ため息まじりに言われた。

「ちがう。篤紀、あの人……」

「なにやってんだって聞いてんの!」

聞かない。全然……聞いてくれない。


ていうか、なんで怒鳴るの?

「なによ、またあの人の味方?」

またあたしを疑うの? ……話も聞かないで、勝手にそうやって決めつけるんだ?

カチンときて、頭の血管が1本……きれたのかもしれない。顔がカーッと熱くなる。

< 176 / 527 >

この作品をシェア

pagetop