ティアラ2
中に入る勇気がなくて、駐輪場へ向かう。
「……いる」
探さなくても一瞬でどれなのかわかってしまう。篤紀の自転車はカゴが少し曲がってて、後ろには駅の駐輪場でもらうシールが貼ってあるの。三角で緑色の。
そっとハンドルに手を置いて、目を閉じた。
何してるんだろ、あたし。
しばらくの間、駐輪場にいた。ただの私物なのに、こんなにも愛おしく思えるなんて……。
入り口付近に移動したあたしは、壁に隠れてそっと中を覗いてる。けれど……。
「2階かな」
篤紀の姿は見当たらない。
あたしはハァッとため息をついて、来た道を戻ろうとした。でも、振り返ると真後ろに……。
「どうしたの? 中に入ればいいのに……お客さんとして」
両腕を後ろにして、にっこり微笑んでいる彼女がいた。
「……いる」
探さなくても一瞬でどれなのかわかってしまう。篤紀の自転車はカゴが少し曲がってて、後ろには駅の駐輪場でもらうシールが貼ってあるの。三角で緑色の。
そっとハンドルに手を置いて、目を閉じた。
何してるんだろ、あたし。
しばらくの間、駐輪場にいた。ただの私物なのに、こんなにも愛おしく思えるなんて……。
入り口付近に移動したあたしは、壁に隠れてそっと中を覗いてる。けれど……。
「2階かな」
篤紀の姿は見当たらない。
あたしはハァッとため息をついて、来た道を戻ろうとした。でも、振り返ると真後ろに……。
「どうしたの? 中に入ればいいのに……お客さんとして」
両腕を後ろにして、にっこり微笑んでいる彼女がいた。