海の乙女

「はぁ…はぁ…!!」

いりくねった細い路地を抜けて行く。

もう二度と捕まりたくない…っ

そう自分に言い聞かせ、疲れきった脚を必死に動かした。

「きゃ!!」

その途中、地面に立たてらかされていた木材に足を引っかけ、派手に転んでしまった。

「いっ…」

あたしは立ち上がろうとすると、足に激痛がはしった。

転んだ際、運悪く足を捻ってしまったのだ。

石畳だったため足や腕にも擦り傷ができ血が滲んできていた。

痛みに耐えていると、後ろから兵の声が聞こえた。

痛む足を引きずりながらもなおあたしは逃げた。


逃げなければならなかった――


「はぁ…はぁ… !!」

いりくねった道の角を曲がり、走り抜けて行くとそこは…

「行き止まり…!」

ど、どうしよう…!?

あたしはあわてて道を引き返そうとすると…

「いたぞ!!」

「さぁ、もう逃げられないぞ!」

「!!」

いつの間に追いついたのか、後ろにはさっきの二人の兵士がいた。

兵は一歩ずつ、徐々にせまってくる。

あたしも後ずさるが、ついに背中に壁がぶつかり、後がなくなってしまった。
< 27 / 88 >

この作品をシェア

pagetop