海の乙女

―――…

潮のにおい…

かすかな揺れ…

波のおと…

温かいぬくもり…?

「……ん。」

あたしはまだ覚醒しきっていない頭を持ち上げた。

そして瞬時に理解した。

ここはベッドの中。

「あ、起きた?」

そして

「!!!???」

隣に寝ていたのは

「きゃ―――!!!」

男の人だということを。

外からドタドタ走ってくる音が聞こえたと思ったら、バンッと勢いよく扉が開いた。

「ちょっとライト!今の悲鳴なに!?って…何この状況?」

それもそのはず。

あたしはライトと呼ばれた男の人を思い切り突き飛ばし、床に転げ落ちているのだから。

「ロビン。大丈夫、大丈夫。ちょっと突き飛ばされだけだから。」

ライトは落ちた時に床にぶつけたのか、頭をさすりながら起き上がった。

「そう…。それはそうと、目が覚めたのね。体調はどう?」

そう言いながらロビンと呼ばれた女性は、あたしに触れようと手を伸ばしてきた、が…

「いや!!」

あたしはその手を思いっきり叩いた。
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