君には、絶対に…
睦が冗談っぽく笑いながら、周りを笑わせている間も、俺は色々考えていた。

カバーしようと考えて動いているわけじゃない。

試合経験だって多いわけじゃないし、こうして落ち着いて考えてみると、自分がどういう動きをしているのか分からない…。

いつも2人の足を引っ張らないように動いているつもりだし、それ以上のことをしているつもりもない。

でも、試合中になると自分でも驚くほどに体が勝手に動くんだ。

“ここに行かなきゃやばい!”

“ここで抑えなきゃやばい!”

そんな言葉が咄嗟に頭の中を駆け抜けて、気付くといつも動いている。

だから、考えて動いているわけじゃないんだ…。
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