元気あげます!
「たぶん、好きなんだと思います。でも、それが恋愛なのかどうかはわかりません。
うちの事情ご存じかどうか知りませんが、母は子どもの時に亡くなって、不景気でうちの事業がうまくいかなくなって兄が家出しちゃって、父がこちらの募集チラシを見つけて、私はこちらでお世話になって・・・でも父も私のお給料ごといなくなってしまいました。

私はひとりぼっちになって、もうワラにもすがる思いっていうか、誰も頼れる人なんていないんです。
ちょっと油断したら、息もできなくなっちゃうくらい苦しくて、死んじゃいたくなるんです。
千裕様はとてもいい人なんだと思います。私にイジワルなことをたくさん言ってくるけど、そのおかげで、こうやって笑って過ごせているのは確かなんです。

早く恩返しできるようになりたいし、三崎様でしごかれることが自分を高めているのも間違いないって最近すごく感じてて・・・。


もっともっと勉強して、そのうち私はここを旅立って行けたらって思うんです。
私は・・・メイドですから、三崎様のご家族なんてとんでもない話です。
千裕様も淳裕様も、気軽にお話してくださったり、私を頼ってくださったり・・・それで充分です。お仲間にいれていただけたみたいでうれしいんです。」



スッ・・・ギギッ。

屋敷の駐車場に淳裕が車を止め、ひかるにまだ降りないように指示をしたので、ひかるが待つと、淳裕は助手席のドアをあけました。

「お待たせいたしました。お嬢様・・・お手をどうぞ。」


そういってにっこり笑っていました。

「たまにはいいんじゃない?メイド不足でやってきたのは君の運。
千裕と出会ったのも君の運。そして、僕にこんなことをさせてしまうのも君の運だよ。」


「淳裕様ったら・・・」

車から降りて淳裕のエスコートする手にひかるが手をかけると、淳裕はひかるの手をぐぃっとひっぱって抱きしめました。


「あ・・・」


「びっくりした?僕はメイドがシンデレラになったっていいと思ってるよ。
現在僕には婚約者もいないし、彼女募集中。彼女になってほしいなって思うコは今、つかまえちゃった・・・な~んて。」


「えっ・・・あの・・・すみません・・。」





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