本当に愛おしい君の唇
 確かに今日も仕事で、ゆっくりは出来ない。


「直美、起きて」


 ベッドまで行って、治登がパートナーを起こす。


「……今何時?」


「朝の七時半だよ」


「あっ、仕事行かなきゃ」


 直美が急に起き上がり、キッチンからコーヒーの香りがしていることを勘付いて、


「コーヒー淹れてあるの?」


 と訊いてきた。


「ああ」


「あたしも一杯いただいちゃっていいかしら?」


「飲みなよ。朝一のコーヒーで気分も変わるだろ?」


「ええ。あたし、モーニングコーヒーは欠かさないの」
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