†Dragon Guardian† ―EXTRA VOLUME―
◆視線の先に映るモノ
「お茶が入りましたけど
お飲みになりますか?」

「――ほな、折角やし頂
こか。いつも悪いなぁ」

「いいえ、どうぞお構い
なく。それより先程から
何をそんなに熱心にご覧
になってるのですか?」

「へ、いや、別に!?なぁ
んも見てへんけど、って
うわあああああああ!!」

「これ……年に2回行われ
る首相を交えた定例会議
のテレビ中継ですよね?
都ちゃん、政治にご興味
などありましたっけ?」

「いや、別に興味とかそ
んなんないんやけど!!」

「……ふむ。ではこの中
にどなたかめぼしい方が
いらっしゃったとか?」

「――――なあっ!?何も
ない何もない何もない、
ほんま何もないんやで!?
ほんまのほんまに何にも
ないんやぁぁぁぁぁ!!」

「え、ちょ、待っ、都ち
ゃん!?一体どちらへ!?」




『さっきのテレビ中継に
綾瀬さんがちらっと映っ
とったから、ウチのせい
で秘書辞めさせられんで
良かったとか、もう会う
こともないやろからせめ
て画面越しでも元気にや
っとる姿が見れて安心し
たとか、あれからそんな
に時間経ってへんのに今
は首相さんの近くで仕事
しとるなんてやっぱり凄
いと思たけどちぃとばか
し寂しいなとか、一瞬目
が合ったような気ぃして
不覚にもときめいてしも
たとか……そんなんこっ
恥ずかしゅうて素面で言
えるわけないやんか!!』




   【The END】
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