あたしの視線の先。
物凄い気まずいんだけど!!
「あ…じゃぁあたしも、
帰ろうかな」
そう言って振り返り歩き始めると、
「早緒梨先輩」
彼に呼び止められてしまった。
「はい」
何故か敬語になるあたしに、
佑太君はまた笑う。
「何で敬語なんスか」
「ぃや、なんとなくなっちゃった」
そうあたしが言い終えた後、
佑太君はこっちに歩いてきた。
「早緒梨先輩」
ここは振り返らなきゃ駄目っぽいな…。
あたしはゆっくり振り返る。
「彼氏いるんですか?」
俯きがちなあたしは、
「いないよ」と一言答える。
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