幸せのつぼみ。
そりゃあ、悔しい。
友達とも強制的にお別れだし、
七海には彼氏もいた。
「七海…」
七海は泣き出した。
人ごみの中、体を丸めて。
少し泣いた後、七海はゆっくりと立ち上がった。
「優梨亜。いままで、ありがとね?」
心が、ぎゅうと縮まるようだった。
少しずつ、涙が溢れでてくる。
「七海…ごめんね。私だけ受かっちゃって」
4年前も、こんなことがあった。
友達だった佳奈が試験に落ちてしまい、
まったく同じ台詞を返していた。
「私ね、佳奈のいる高校行くことになった」
嘘だと、おもった。
佳奈の行く高校は、受験なしで、
…不良ばかり来ると聞いた。
「あの、不良いっぱいって言う…?」
私が恐る恐る聞くと七海は答えた。