飛べない鳥
空は屈託のない青空。


『今日も快晴…』


毎日晴れだといいのに。


そしたら毎日屋上へと行けるだろ?



雨だったら、屋上へと行けなくなる。


俺は青空を見上げるために屋上に行くのに、
雨だったら屋上に行く意味がなくなってしまう。



そして、唯とも話せなくなる。



俺はベランダからテレビの左上に写っている時計を見る。


『…7時…58分…やべぇ…』



いつの間にこんな時間になっているんだ?


8時過ぎに響が迎えにくるというのに…



俺は慌ててベランダから出て、カーテンを閉め、
制服に着替えた。



『今日の占い!』


テレビが占いをやり出した。


俺は動いていた手や足を止め、テレビに集中した。


占いなどバカにして信じていなかったが、
昨日のことがあってから俺は占いを少しだけ信じることにした。
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