飛べない鳥
なかなか俺の山羊座が出てこない。


そして最下位が近づいてくる。


俺はごくんと生唾を飲んだ。


『ごめんなさい~今日の最下位は山羊座のあなた…
恋愛絡みでトラブル発生かも…優しく対応してあげてね、そんなあなたのラッキーアイテムは…』



俺は占いを全て聞かず、
途中でテレビを消した。


また怒りが募る。



今日は朝から気分が下がりっぱなしだ。


俺は今日行われる授業の教科書を次々にカバンの中に入れていく。


今日から授業が始まる。

午前中で帰れない憂鬱さが俺を襲う。



でも唯に会える…



そう思えば少しだけ憂鬱さが和らぐ。


そんな時、響のお迎えのチャイムが鳴った。



─ピーンポーン……


俺は随分重くなったカバンを引きずり、玄関の方に向かった。
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