飛べない鳥
~第五章・笑顔~
雨は強くなり、窓に雨が当たる。



雨のせいで、楽しみにしていた屋上での唯との会話もなくなってしまった。



俺は授業中、一度も教科書とノートを開けず、授業が終わるのを黙って待っていた。



嫌でも雨の音が聞こえてくる。


目を閉じても、耳に響いてくる。


だから雨は嫌いだ──…



───………



『遥斗!飯行こうぜ?』



昼休みになり、俺と響は昼御飯を食べるため、食堂へ行く。


廊下が湿気で滑りやすくなっていた。



俺は前髪を触りながら、
響の後を追う。



食堂に着くと、そこには大勢の人間がいた。


先輩や、同学年の生徒達が食事を楽しんでいる。


俺は入り口で立ち止まった。


この先に進むことは無理だろうと、体が拒んでいた。


『遥斗?』


急に立ち止まった俺を心配した響が言った。



『すげぇ人…』
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