飛べない鳥
完全に、この街から青色は消えてしまった。


俺はその一部始終を見ていた。



─キーンコーンカーンコーン……


授業が始まるチャイムだ。

俺は腰を持ち上げ、
屋上を後にした。



そして、階段を一段ずつ下りていく。



誰もいない廊下を歩いていく。


教室からは先生の声が漏れて、俺の耳に入ってくる。


俺は歩くスピードを下げ、ゆっくりと教室に向かった。



今日から始まる授業。


憂鬱すぎて頭がパンクしそうだ。



歩くスピードを変えても、必ず到着してしまう。


俺は後ろのドアから教室に入った。



─ガラガラッ……



『お前は、え~っと…橘か?』



メガネをかけた中年の先生が、俺を見て確認をする。

俺は首を縦に振り、席に座った。



『遅れるなよ?話の続きをするな~』



先生は話の続きをし始めた。


俺は頬杖をつき、
無力な自分に腹を立てていた。



外は、ぱらぱらと雨が降り出していた。
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