飛べない鳥
どれくらい歩いただろうか?


俺は3メートルぐらい葵と距離を置き、歩いていた。


葵は一言も話さず、
ただ前を向いて歩いていた。



何がしたいんだよ?


意味分かんねぇし。



すると急に、葵は方向を変え、公園の入り口にと入って行った。



誰一人いない公園。


枯れて少し茶色くなった桜の花びらが寂しそうに転がっていた。



そして、葵はベンチに座り、俺を見上げた。



『座れよ?』



『…………』



俺は無言状態のまま葵の隣に座った。



『ふぅ…』



葵は疲れた声を漏らす。



…俺だってため息つきたい。


お前がここまで俺を連れてきたんだろ?



『話って何だよ?』



『お前なら分かるだろ?
俺がお前に会いに来た理由』



『…さぁな』




分かってたよ、
お前の顔を見た瞬間…



お前は俺から唯を取りに来たんだろ?
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