飛べない鳥
《ごめん》


俺は暫くこの言葉しか言っていなかった。



この言葉は、美咲に対して、唯に対して言った言葉だ。



…唯、俺って本当にバカだよな?



唯の運命の人は、
もう現れていたことを、
俺はなかなか気付いてあげられなかった。


ごめんな…



肩を震わせて泣く美咲を見ていたらほっとけなくなり、俺は部屋へと案内した。



『…ごめん…俺こんなことするつもりじゃ…』




『ううん…』



俺は女の涙に弱いのだろうか?



美咲の涙を見ていたら、
慰めてやりたいと思った。



『タオル…取ってくる』



俺はタオルを取ってこようと思い、その場を離れようとした。


すると美咲が俺の手を握った。





『…遥斗、私遥斗が好き』




告白ってすごく大事なことだと思うんだ。



そんな簡単に出来る事ではない。



でも答える方は自分に素直にならなくてはならない。


俺は葵にあんな事言われたが、やはり唯が一番だ。




『ごめん…』
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