飛べない鳥
『やめろ、響。香織が悪いんじゃねぇよ』



俺は響を睨みつけ、
落ち着くように訴えた。


響は俺に従い、椅子に座った。



『そう…だよね、私何言ってるんだろ…あとで唯に聞いてみるから…』


半泣き状態の香織が声を震わせて言った。


俺は香織の頭を撫で、
こう言った。




『香織、唯には俺が聞く。自分の耳で聞きたいから』


『え…』


『遥斗?』



『大丈夫だから…ありがとな、もしこれが本当だったら俺…諦めるから』



『…遥斗…お前はそれでいいのかよ…』



雨が強くなったり弱くなったりする。


天然のシャワーが、
この地上を濡らしてゆく。


俺の心も…濡らしてゆく。



『…あぁ…』



諦めるよ、


葵?唯をお前に託すよ。




……ゲームオーバー…
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