飛べない鳥
理由を確かめたくて、俺は走ったんだ。


響の彼女を俺は廊下で見つけ、叫んだ。



先生はゆっくりと振り返り、俺の存在に気付いた。


俺の存在に気付くと、先生は驚いた顔を見せたがすぐに笑顔になった。



『橘君、おはよう』


先生はいつもと同じ笑顔と、いつもと同じ声だった。

今、響はあんたのせいで泣いているのに、あんたは何も変わらないのか?


俺は平然としている先生が許せなかった。



『先生…何で?』



俺は怒りを露にし、先生に近付いていった。



『ん?何が?』



…は?
とぼけるのかよ?



『何で響にあんなメール送ったんだよ?』



先生は俺が怒っていると分かったのか、笑顔を消し、斜め下を向き、悲しい顔をした。




『…こんな関係はよくないと思ったの…』



響の気持ちは無視かよ?

大人は身勝手すぎる。
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