飛べない鳥
そしてマンションの近くのコンビニへと行く。


暗くなった街にある、やけに明るいコンビニ。


俺はその場所へと行く。



『はぁ…』


ため息が止まったことなど一度もない。


365日、俺はため息を漏らす。


《ため息を漏らすと幸せが逃げる》などとよく言われるが、これは本当かもしれない。



俺に幸せという贈り物は絶対届くことはないだろう。


俺はコンビニに入り、
何を買うか決め出した。



元々少食な俺は、
好きな食べ物などない。


だから必ずコンビニに来ては迷っている。


ずらりと並ぶパンやおにぎり。



俺は行ったり来たりする。

『これでいいや』


俺は適当に取ったメロンパンをレジへと持っていき、会計をし、コンビニを出て行った。


105円のメロンパンが入った袋を持ちながら、
俺は歩いていく。



空には、薄暗い雲が、月や星などを隠していた。
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