Ghost Lovers
何を話せばいいのか。
私はただ黙ってその場にいるのが精一杯。
隣の凜をチラッと盗み見ると
凜もこちらをジッ…と見ていた。
(ど…どうすれば…)
(役目を果たす。それだけだ。)
(…で、すよね。)
ホラ行け、とばかりに背中を押され
一歩つまずくように前に出る。
ドクドクと波打つ鼓動が痛い。
「あ、あのっ!先にお代を頂きたいと…!」
そう言うと、貞子は驚いたように目を見開いた。
何かマズイことを言っただろうか?!
彼女の釣りあがった目の奥の瞳に
私の姿が映っているのが見える。
「ほ……」
「へ?」
「本当~…に?」
ポカンと口が開いた。
「私を……ここに泊めてくれるの…?」