Ghost Lovers
その体勢のまま、私はまたついつい睡魔が襲ってきて
瞼が塞がっていく……
あぁいい感じだ。
眠れそう―――…
「こ・ま・ち・ちゃん!!」
「ギャッ!」
耳元で叫ばれた喜代の声が、
脳内に何度もこだました。
もう限界だ。眠い。
でもこのまま寝てしまうと、明日が来ない気がする。
「耳元で叫ばないでよ!」
馬乗りを回避するように上半身を無理やり起こして
喜代を必死で押しのける。
喜代は龍の神様で、私は人間。
考え方の相違どころか……人種が違うのだ。
睡眠時間のずれだって、考えてほしいよ。
何が可笑しいのかニコニコと笑ったままの彼は
やっぱり何を考えているのか分からない。
「ねーねー。」
「なにぃ……?」
ゆったりとした喜代の声は、何だか心地よくて
再び私を夢の世界に誘う。
「朝ごはん、作って?」
「……は?」