Ghost Lovers

その体勢のまま、私はまたついつい睡魔が襲ってきて
瞼が塞がっていく……

あぁいい感じだ。
眠れそう―――…



「こ・ま・ち・ちゃん!!」
「ギャッ!」


耳元で叫ばれた喜代の声が、
脳内に何度もこだました。
もう限界だ。眠い。
でもこのまま寝てしまうと、明日が来ない気がする。


「耳元で叫ばないでよ!」


馬乗りを回避するように上半身を無理やり起こして
喜代を必死で押しのける。


喜代は龍の神様で、私は人間。
考え方の相違どころか……人種が違うのだ。
睡眠時間のずれだって、考えてほしいよ。

何が可笑しいのかニコニコと笑ったままの彼は
やっぱり何を考えているのか分からない。


「ねーねー。」
「なにぃ……?」


ゆったりとした喜代の声は、何だか心地よくて
再び私を夢の世界に誘う。




「朝ごはん、作って?」




「……は?」

< 74 / 169 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop